「静脈瘤」は、膝の後ろに静脈が浮き出てきて、皆さん、見た目を気にされます。見た目の通り、「静脈瘤」とは、静脈の内腔が異常に拡張して、屈曲・蛇行した状態です。それにより、コブのように見えます。
主に表在静脈にできます。


静脈が膨れるとすぐに、気が付くけれど、コブ以外にも、足がだるい、重い、腫れる、かゆい、痛み、こむら返りがおきたり、足のむくみなどの症状もでます。

また静脈瘤と併せて、皮膚が色素沈着したり、発疹や皮膚潰瘍などもみられることがあります。


こうした症状が長期間続いていると、皮膚がもろくなり、出血しやすくなって、小さな怪我で大出血することがあるので、要注意。


静脈のこぶがないからといって、下肢にかゆみや、重さを常に感じているようなら、そして皮膚が薄くなって出血しやすくなったと思う方は、ケアが必要です。

また、静脈のうっ滞は、感染や炎症が起きやすいので、かゆみでひっかいたことから、急性の化膿性炎症(蜂窩織炎)を起こすこともあるので、要注意です。


●なんで脚にできやすいの?。

静脈瘤が脚に起こりやすいのは、足が心臓から遠い位置にあることや、人が立って生活していることで、重力により、静脈が戻りにくいことが要因
となっています。


●足の静脈を心臓へ戻すしくみは、、、?

①「胸郭内陰圧」

息を吸った時に、胸郭が陰圧になり、血液を吸い上げる力になります。

②「心室の拡張」
心臓の収縮後の拡張が血液を吸い上げる力になります。

③「筋肉ポンプ」の力
ふくらはぎの筋肉が、内部の静脈を押し返します。
そして、動脈のように「血圧」がない静脈血が戻らないように、
「静脈弁」があって、静脈血が逆流しないようになっているのです。

血液は、「静脈の弁」と「ふくらはぎの筋肉」によって、重力に逆らって、心臓に戻るのですが、弁の機能が悪くなったり、ふくらはぎの筋肉のポンプ
作用が落ちたり、静脈の壁が弱くなると、静脈内にある血液は戻りにくくなり、溜まってしまい、静脈の壁にかかる圧力(静脈圧)が高くなっていきます。

静脈の壁は強くないので、うっ滞している状態が続くと、静脈は、膨れて伸びて曲がって、静脈瘤となってしまうのです。

ちなみに静脈瘤は、下肢だけでなく、精索、食道下部、直腸肛門部の静脈にも現れることがあります。


●静脈瘤が起きやすい人ってどんな人? どんな状況で起きやすいの?

高齢者、妊娠、肥満、便秘、立ち仕事の多い人などが多いです。
また遺伝的な素因も関係があるとされています。


●静脈瘤の原因は?、、、、2つの原因があります。

①一次性静脈瘤

静脈の弁機能が不全の為に、血液の重力による流で静脈が拡張した状態です。静脈壁の脆弱化も原因になります。

「一次性静脈瘤」の場合は、長く立っていたり、じっとしている時間が長いと、静脈圧が上がって静脈がうっ滞し悪化します。
立ち仕事をしている方や、肥満や妊娠で悪化したり発症します。女性に多いです。

自覚症状がないこともありますが、下肢の重い感じ、疲労感、痛みがあります。また、悪化しても、脚を上げたり、ふくらはぎをもんだりすると、
静脈圧が下がり症状が軽くなったりします。

一晩寝ると朝には軽減している場合は、「一次性」で、多くの人に当てはまります。

経過の長いものは、皮膚が弱くなる場合もあれば、肥厚する場合もあり、色素沈着や皮膚潰瘍を生じることもあります。


②二次性静脈瘤

骨盤内腫瘍や、妊娠も原因になり、深部静脈の環流障害を生じ、表在静脈が拡張・屈曲・蛇行したものをいいます。多くは、深部静脈血栓症に伴ってみられます。

深部静脈逆流に起因する深部静脈血栓症後遺症(血栓後症候群)により、静脈瘤ができることもあります。

深部静脈が詰まると、表在静脈に「心臓へ戻るバイパス経路」ができ、静脈瘤ができやすくなります。これが二次性静脈瘤です。
深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)が原因であることもあります。



●一次性静脈瘤の種類は?
  、、、、4つの下肢静脈瘤のタイプがあります。


①伏在静脈瘤

表在静脈で最も太い本管が拡張したもの。

②側肢静脈瘤
伏在静脈からの末梢分枝が拡張したもの。

③網目状静脈瘤
表層に近い皮下小静脈(径2-3mm)が拡張したもので、鮮明な青色です。

④クモの巣状静脈瘤
最も皮膚の表層にできる皮内細静脈(径1mm以下)が拡張したもので、
紫紅色をし、痛みを伴うこともあります。。


●西洋医学での治療法は、、、。

治療法は、静脈瘤の形によって異なります。

①「圧迫療法」
基本となるのが少し圧のかかったストッキングを履く療法です。
圧迫法や、マッサージ法は、保存的治療法です。

市販されているサポートタイプストッキング(弱圧)から、治療用の弾性ストッキング(中圧、強圧などがある)まであります。
圧の強さは、足首の部分の圧が最大(100%)で、太ももにあがるにつれ弱くします。(太もも上部では40%程度)

基本は、筋肉のポンプ作用のあるふくらはぎを覆うハイソックスです。
太ももに静脈瘤がある場合などでは、ストッキングを使います。

伏在静脈瘤は、表層なので、圧迫圧は軽くしますが、静脈血栓症後など
二次性で起こりやすい皮膚潰瘍・色素沈着などには、圧迫療法が主な治療法となりますので、より強い圧での圧迫が必要になります。

圧迫療法は静脈瘤を消失させる治療法ではないので、立っていることが多い人の場合では、静脈瘤の悪化予防、再発予防の為に、圧迫療法を続けることが必要になります。

でも、圧迫療法は、夏は蒸れやすく、圧の調整が難しく、時間とともに緩みやすいので、長期間続けるには問題がでてくるというデメリットがあります。


②「静脈抜去法」(ストリッピング手術)
他には、外科手術によって、だめになった静脈を抜き取る方法があります。
これは、問題の静脈をとってしまうので、静脈瘤はなくせるのですが、手術箇所が大きくなったり、美容的な問題、術後の血腫や神経障害がでたりなど、手術後の合併症が発生する可能性があります。


③「静脈瘤硬化法」
網目状静脈瘤やクモの巣状静脈瘤に対して最適で、外来で繰り返し行います。
これは、ダメになった静脈を薬剤で固まらせて、血液が逆流しないようにする治療法です。でも、「静脈瘤硬化法」は、アレルギー体質、心臓病、糖尿病、感染症、妊娠中、授乳中の方には禁忌です。


④「結紮術と硬化療法の併用」
側枝型静脈瘤(孤立性の静脈の拡張・蛇行)や、伏在型静脈瘤に向いています。大小の伏在静脈を根元で結紮し、更に硬化剤の注入して静脈瘤を閉塞させます。


⑤「ストリッピングと硬化療法の併用」
静脈の抜き取り+硬化剤の注入によって、静脈瘤を閉塞させます。


●治療効果は、、、?

現在の医学では、下肢静脈瘤を根本から治療することはできません。
そして、だめになった静脈弁を全て元通りに治すことはできません。
どの治療においても再発や、別の静脈瘤が出てくる場合があります。

不適切な治療では、半~1年以内早期に再発します。また、現在ではレーザーやラジオ波による静脈内膜の焼却も行われています。


下肢静脈瘤②では、
~静脈瘤のオステオパシー対策~を掲載します。

Harmonyの考える静脈瘤対策です。
引き続き、読んでくださいね。(^-^)/



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下肢静脈瘤①
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case5)下肢・足の問題
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